June 30, 2009

「無音声の映像」

モエレ沼
画像は北海道のモエレ沼公園にあるガラスのピラミッドです。
ADH在籍時に度々お世話になった梅沢建築構造研究所が構造設計した建築です。
気になっていて、昨年の夏に行ってきました。
このピラミッド型のアトリウム空間は頂点で高さ32m、底辺で51mあるそうです。
詳細は建築専門誌やモエレ沼公園のホームページなどで紹介されています。
データ整理中に目がとまったので少し書いておきます。

モエレ沼
スチール(鉄)やガラスでつくられた繊細な構造を持つ建築の美しさは、
建築が好きな人でしたら共感できると思います。
記録画像のなかで、曇天の夕刻の画像に心惹かれました。
建築を体験しているとき、実際に見ている空間が無音声の映像のように見えて
時間が止まってしまったかのような錯覚に陥るときがあります。
この建築でそんな体験ができました。

モエレ沼
スチールとガラスの建築では、晴天よりも曇天で、雲に動きがあり、
日照がおちてきた夕刻にこのような体験をします。
現実の空間にいるのに客観的にその映像を見ている感覚です。
強すぎない日照が現実の視覚的要素を隠してしまうせいでしょうか。

それは、焦点を合わさずにぼんやりと見るような体験に近いですね。