July 21, 2010

「リノベプロジェクト:解体風景」

KAHUプロジェクトの現場の帰りに昨日はもうひとつ現場に立ち寄りました。
とても小さな改修工事で私は友人の建築家をサポートしています。
リビングダイニングスペースを改造してキッチンカウンターやTVボードなど
造付け家具をオリジナルでデザインするプロジェクトです。
その現場の解体の風景がおもしろかったので少し写真をのせておきます。

renove01.jpg
びっくりマークにみえませんか、この写真。
これは部分的に解体した天井の写真です。
既存の空間を部分的に斜めに切ったり、新しい家具をくっつけたりするので
必要な部分を解体すると不思議なことになります。

renove02.jpg
どんな空間になるか完成が楽しみです。
最近、住まいのリノベーションプロジェクトに関わる機会が増えてきました。
デザインにこだわりがあるオーナー様であれば、単にデザイン家具を購入し
配置するだけでなくて、部分的に既存空間にも手をいれてインテリア全体を
デザインされた空間に変えてしまった方がよい気がしています。
美しいインテリアだと毎日、気分がいいですしね。


July 20, 2010

「KAHUプロジェクト:地盤改良工事」

今日は早朝から現場に行き地盤改良工事に立ち会ってきました。
杭の施工位置、資材の確認と鋼管杭の施工状況を確認するためです。
杭の施工位置ならびに資材の仕様は設計図通りで全く問題はありませんでした。
あとは地盤改良業者の親方と職方の作業を見守るだけと安心していたところ、
今日はそこからが実は大変でした・・暑くて・・。
太陽光とアスファルトの照り返しで体感温度は急上昇で汗だくでフラフラです。
職人さん達も熱中症にならないように水分補給と休息をいれながらの施工でした。
ただ施工はとても順調に手際よく進められました。

kui01.jpg
kui02.jpg鋼管杭の先端にスパイラル上の羽を溶接し、それを垂直に立て回転させることに
より杭を埋設していきます。その際、杭が垂直水平を保つように杭の横にガイドを
する職人が立ち、目視しながらユンボ作業を行う親方に声をかけます。
倒れを微調整しながら杭の施工を進めていきます。
息の合った職人技でした。

June 26, 2010

「KAHUプロジェクト:地鎮祭」

しばらくブログをアップしておりませんでしたが再開します。
今日のブログから現場の様子もレポートしていこうと思います。
オーナー様に予期せずご迷惑をおかけしてしまう場合があるので
進行中のプロジェクトについて通常はレポートしないようにしていますが、
KAHUプロジェクトについてはオーナー様にご了承いただいているので
オーナー様への報告も兼ねてブログでレポートする次第です。

さて、KAHUプロジェクトですが昨年末から毎週末あれこれご相談しながら
デザインを打合せしてきた個人住宅プロジェクトです。
今月に入っていよいよ現場がはじまることになりました。


jitinnsai今日は朝から松浦と私で現場に行き、オーナーご家族ならびに
施工をお願いする工務店の社長、専務とともに地鎮祭を行ってきました。
すでに季節は梅雨入りしており当日の天候を心配しておりましたが、
小雨が式典中パラっと降った程度で無事に終わり助かりました。

地鎮祭に参加していつも感じることがあります。
それは地鎮の儀(じちんのぎ)の最後に施工者が鋤(すき)で砂を均すときの
「エイエイ・・」という掛け声です。
その声が力強く、どこか落ち着きのある発声だと安心できます。
経験上、発声の良し悪しと施工者の実力が比例しているように思うからです。
現場経験の豊かさと実力が声にあらわれるのでしょうか・・。
そういう意味で今日の地鎮祭は良い声が聞けて安心できました。
これから現場が楽しみです。

May 26, 2010

「設計の仕事」

ここ最近、人と会って調整をしなければならない業務が多くデスクでの作業時間が
とれずに落ち着いてブログを書くことができませんでした、ひさしぶりに再開です。

今日は建築の設計分野で実際に働いてみないとわからない設計の仕事について
少し書いてみようと思います。少し長くなります・・。
以前に勤務していた事務所の代表が建築家で大学のゼミをもち複数の大学で
教えていたこともあり実務をしながら現役の学生と話す機会が多かったのですが
学生が気にしていたのは建築の設計とはどういう仕事なの?ということでした。
単に設計の仕事といっても現代は分野が多岐にわたり規模もばらばらなので
そのこたえはひとつではありませんが、いくつかあげてみます。
1.情報を収集し整理する仕事 2.人を動かす仕事 3.デザインをする仕事・・
建築の仕事はそのほとんどが地味な作業の連続です。

1の例をあげると設計の初期段階では関係する建築基準法令や上下水道など
設備インフラを諸官庁に確認し、計画敷地の測量ならびに地盤の調査をもとに
地耐力や地盤の汚染状況の確認をします、近隣住戸の現況や日照、通風など
環境条件の調査も必要です。
また建築材料や新しい設備製品の情報収集も必要となります。
確認がつねに必要となる依頼者(クライアント)との打合せもそのひとつです。
これら情報を整理しプロジェクトに有用なものをまとめます。
2は設計の仕事の中核となります。
建物が完成するには多くの人が関係します、設計者だけではつくれません。
予算に余裕のあるプロジェクトなら無理も可能ですが通常は限りがあります。
目標となる予算内で契約期間内に建物を完成させなければなりません。
予算がなくてもプロジェクトに関係する人たちが個々の能力を最大限に発揮し
良いものをつくろうという気持ちになることが不可欠です。それは施工を直接
行う職方だけの話ではなく営業マンや積算、各材料メーカーの営業、そして
発注者であるクライアントにもあてはまります。
プロジェクトの状況に応じて臨機応変に関係する人々を動かすことができる
信頼関係を築くのも設計の重要な仕事です。
3でようやくデザインです。
設計が優れたものになるか意匠、構造、設備を検討します。
芸術性や、文化的に価値があるかなども考える仕事です。
この3の業務は先に挙げた1、2の仕事と連続していてこれら全てを行うこと
によってはじめてよいデザインをすることができます。

設計の仕事の一部ですが、簡単に書いてみました。
他にも作業はたくさんあります。
流氷の水面下の部分は水面上の大きさにくらべるとかなり大きいですが、
美しい建物が誕生するには膨大な地道で地味な作業が行われています。

April 23, 2010

「よい住まい:#4 バランス感覚」

住まいの設計では「バランス感覚」をもつことがとても重要です。
それはクライアントである建主と設計者の両者に必要なものだと思います。
その理由は住宅ができるまでの過程を考えてみるとよくわかります。
竣工するまでにはたくさんの事項・要素について決定をしなくてはならないですが
決定の際にひとつの事項に固執してしまうとバランスの悪い家ができあがります。

かいぎ.jpg極端な例をあげてみます、
・ケース1は性能にこだわりのあるオーナー様です:
家の断熱性能や遮音性能、耐震、気密・・・の性能評価を高くすることに熱心で
他の部分はそれほど関心がない方です。
完成した家は高い性能を有していますがデザインがチグハグで雰囲気がよくない。
近年は環境に配慮した商品が開発され情報をカタログ等でみることができます。
それらを鵜呑みにして判断していくとオーバースペックとなることもありますし
性能重視の製品はやぼったいデザインが多いのでイメージが悪くなりがちです。
・ケース2はデザイン重視のオーナー様です:
写真集や専門誌で見たような家がほしい・・とデザインイメージ先行の方です。
完成した家は写真栄えのする美しいデザインですが日常生活で不便なことも多く
故障やメンテナンスも各部分で必要になってしまいました。
優れたデザインのためには不便でもかまわないという人も実際いらっしゃるので
単純には良し悪しを判断することはできませんが、大変そうです。
・ケース3はコスト重視のオーナー様です:
とにかく安くしてくれればいいという判断です、当然デザインは求めていないので
家の中にさまざまな建材が建材展示場のように無秩序にばらばらと並びます。
また商品を直接購入して施工者に支給という形で多くの材料を入手したため
数年後、材料の不具合が発生したときには施工者のメンテナンスは非対応で
オーナー自ら材料を入手して施工を業者にお願いすることになりました。
これも極端な例ですが長く生活をする場が展示場のようでは寂しいですし
オーナー自身が補修の段取りや手配を行うのも厳しい気がします。

極端な例を3つあげました。
程度の差はあれ家をつくろうとする際にはどの要素も必ず検討することになります。
例にあげたようにひとつの要素に固執して全体のバランスが悪いと
よい住まいとは異なるものになっていくことが想像できると思います。
理解しているつもりでも、いざ設計打合せを進めると特定要素に目がいきがちです。
やはり建主と設計者でよく相談をして冷静に全体を考え判断を行いたいですね。
そのためには「バランス感覚」を意識することが大切です。

April 1, 2010

「最近考えたこと・・」

これまでお世話になってきた各メーカーの担当者が、今年に入り
人事異動や再編でいなくなってしまい困っています。
仕事を通じ時間をかけて信頼関係を築いてきた人たちがいなくなる
ということは、良質なものをつくるために必要な力が失われることを
意味するので、僕にとっては大きな痛手です。
経済状況の悪化による建築業界への直接的な影響なのでしょう・・、
設計の進め方を少し変えざるをえません。

連絡のとれたお世話になった人の話を聞くと、
売り上げに直接つながらない設計者に対応する人材を減らし
直接販売を行う営業の人材を増やしているようです。
いろいろやりにくい時代になりました。
また、お世話になった目上の立場の人も引退しつつあります。

これから先はこれまで教えていただいた技術や知識を使って前に
進みつつ、周囲の人力を育てていく必要性も感じています。
がんばらないといけませんね。

March 23, 2010

「よい住まい:#3単純なかたち」

今日は住まいの間取りについて書きます。
まず「間取り」という言葉の意味ですが文章で説明すると、建築の内部を
部屋や壁で囲まれた空間(区画)で分割することあるいは分割した空間に
機能を配置すること・・となります。
うーん・・文章にするとイマイチ、ピンとこないですね。
皆さんが「間取り」という言葉からイメージする意味で全く問題ないので
意味について書くことはやめます、興味のある方は調べてみてください。
さて住まいの間取りについては、折込み広告などにハウスメーカーのチラシ
が多く入っていますし住宅の専門誌には必ず平面図が掲載されていますので
一般の方もイメージしやすいですよね。
(間取り図と平面図は正確には意味が異なりますがここではどちらも住まいの
構成を知るための図式であるという点で同じものとして扱います。)

まどり.jpgでは間取りについてです。
間取りの評価ついては立場や条件によって価値基準が変わります。
不動産業であれば高い賃料に設定できる、または高く販売できる条件の
間取りがやはり評価が高いですね(広さを重視、採光を重視等々)。
そういった評価はプロの不動産鑑定士にまかせて、ここでは設計の立場
から見たときの間取りとして優れていると思うポイントをとりあげます。
それは「どれだけ間取りが単純なかたちであるか」ということです。
実際に家を設計するときにはかなり多くの情報や条件が関係することに
びっくりします、それらを整理してクライアントの要望を満たしデザインの
あるアイデアをまとめなければなりません。

建築家に家を依頼するオーナーの希望はいろいろな夢も重なってふくらみ、
かなり多くなっています、中には実現するのがむずかしい希望もあります。
それら多くの要望や条件をクリアし整理し必要なことを判断して間取りを
デザインするわけです。
もしたくさんの要望をひとつひとつ直接かたちにしていたら間取りはどんどん
複雑になってしまい、使用する材料の種類、数量も増え建設コストも高く
なります。要望を満たしているので設計はできているのですが、
図面にまとめただけのことでそれでは優れた設計とはいえません。
それに対し複雑にからんだ多くの条件をごく単純な間取りですべて解決
できたらどうでしょうか?材料も過剰に消費せずコストはかかりません、
そして様々な用途に対応できるフレキシビリティ(柔軟性)がその間取り
には生まれます。

住まいは人が生活をする空間です。
人の生活は年齢に応じ様々に変化していきます、つまりライフステージに
よって様々に変化します。そのような特徴がある以上、住まいもその変化
に対応できるものでなくてはなりません。
住まいには変化に対応できるフレシビリティ(柔軟性)が必要です。
それがごく単純なかたちの間取りがよい住まいだと判断できる理由です。


March 4, 2010

「お気に入り:黒胡椒せん」

ひさしぶりに食べ物の話題です。
今年はじめて知って今はまっている食べ物があります。
それはこしょう味の煎餅です。
これまでなかなか自分好みの煎餅にめぐり会えず探していたのですが
ようやくひとつ発見しました。
親戚が手焼きの草加せんべい屋さんだったこともあり、幼い頃から
煎餅といえばそこの手焼き煎餅を食べていたせいか
市販されている煎餅の化学調味料の味やもち米の味に馴染めず
最近は煎餅を食べなくなっていました。
たまに手焼き煎餅屋を見つけて食べてみるのですが
しょうゆともち米の味、そしてかたさの納得のいくものがなくがっかり
するばかりでした。
親戚の草加せんべいが頼みの綱でしたが私が大学生の頃に
ご主人が高齢のため引退し閉店してしまったので、
その煎餅もなくなってしまいそれ以来おいしいせんべいを探してきました。
そしてようやく発見しました。それがこの「黒胡椒せん」です。

黒胡椒せん.jpgシンプルな手焼き煎餅とは異なりますが胡椒の辛さが平気な人なら
スパイシーでおいしい小さめの薄焼きお煎餅です。
スナック菓子のような感覚もあり酒のつまみにとてもよいです。
この煎餅をつくっている「おせんべいやさん本舗」は私が知らないだけで
すでにかなり有名らしく関東圏には多くの直営店があり通販もやっていて
雑誌等でも紹介されているようです。
機会があれば一度食べてみてはいかがですか。

February 9, 2010

「よい住まい:#2 光の高さ」

今日は住まいの「光の高さ」について書きます。
光といっても照明光ではなく自然光についてです。
家は人が生活を行う空間ですが、その機能を除くと
単に屋根と壁で囲まれた閉じた空間(箱)です。
何もしなければ箱の内側は光の届かない暗い空間です。
そこに光や風を取り込むための窓(開口部)という装置(技術)を用いて
はじめて人が住まうための室内空間(インテリア)が生まれます。
建築をつくる作業ではこの光(開口部)をつくるという作業はとても重要です、
この違いにより室内空間は全く異なってしまうからです。
建築とはこの光を操作することだと考える建築家もいるくらい、
空間の質に影響を与えます。
少し話が脱線しました、今日のテーマの「光の高さ」に話を戻します。
結論から言うと高い位置の光や低い位置の光など、高さに違いのある光
ある家はよい住まいだと思います。
異なる高さの開口部から入る自然光によって室内空間は時間とともに様々に
変化する魅力的な空間となります。

少し説明をします。
南面にひとつだけ窓のある部屋があるとします。
窓高さは床から自分の身長ぐらいまでです。
太陽光はつねに斜め上方から射してくるので窓直上の壁や天井は
直射光のあたらない暗い部位となります。
ですが室内の大部分は明るくなります。

たかまど.jpg

それに対し天井に近い位置の窓をつくると暗くなるはずの天井面に
光の照り返しなどで窓から光があたり天井面も明るくなります。
逆に床に近い位置の窓をつくると室内の壁や天井の大部分が暗くなりますが、
自然光が床に反射し壁や天井をぼんやりと照らすので
外光の光の強弱の変化が室内の光の変化としてよく見えます。

ここまで窓の高さにより室内の光の印象に違いがあることを説明しました、
では窓の高さが一定にそろうと室内空間はどうなるでしょうか。
例にあげたような光の印象が家のどこにいっても続くことになります。
一定というと安定してよいように感じますが、裏を返せば単調で退屈な状態です。
住まいには快適な生活ができるよう一般解としての窓の大きさや高さがあります。
腰の高さから頭上くらいまでの腰窓や床までのはき出し窓がそれで、
ほとんどの住まいはこの2種類の窓の組み合わせになっています。
室内に十分な採光と通風を得ることのできる優れた開口ですが、これらの窓の
組み合わせとなると室内の光は単調になり退屈な印象となってしまいます。

やはり毎日過すなら、光の変化を感じる魅力的な空間に住みたいですよね。




January 29, 2010

「よい住まい:#1歩きまわれること」

設計を担当した住宅ではオーナー様から
「家にいることが多くなり外出する機会がへりました」という感想を
よくいただきます。
それは家の居心地がよいということだと理解しています。
よい住まいについて考えていくシリーズの記念すべき第一回目です。
まずは私がもっとも大切だと思うポイントをあげてみます。
それは「歩きまわれること」です。
単に広い部屋の中を歩きまわるということではありません。
空間(室)に二つ以上の出入口があるということです。
これまで住まいの規模として豪邸とよばれるような大きなものから
狭小とよばれる小さなものまで設計を経験しましたが、
小さくても歩きまわれる住まいは外にいるような広がりを感じることができ、
一日中家にいても閉塞感や圧迫感を感じることがありません。
逆に大きな家でも出入口が一つしかない行き止まり空間には閉塞感があります。
でも歩きまわることができるとはどういうことでしょうか?
ヒントは室内風景にあります。

まわれる02.jpg例をあげてみます。
まず寝室と廊下、洗面室という3つの空間があると仮定します。
出入口がひとつの場合は廊下と寝室、廊下と洗面室がそれぞれドアでつながり、
寝室と洗面室は廊下を通らない限り行き来することができません。
この場合の室内風景は、寝室?廊下?洗面室という接続の1通りです。
出入口がふたつの場合は廊下と寝室、洗面室がそれぞれドアでつながり、
さらに寝室と洗面室もドアでつながっています。
この場合の室内風景は、寝室?廊下?洗面室と寝室?洗面室?廊下という
接続の2通りとなります。
さらに部屋(室)数やドア数が増えると接続の組み合わせは増えていきます。

移動する経路の選択によって室内風景の組み合わせ数が増え、空間体験として
家の物理的な規模よりも大きな広がりを感じます。
この特徴を利用すると家という限られた面積の空間に実面積以上の空間を
つくることができます。
こういう家では子供達がつねに楽しそうに家の中で遊んでいます。
すべての室では無理な場合もありますが、ひとつの室でも広がりが生まれるので
住まいを検討している方は、考えてみることをおすすめします。




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