August 4, 2009

「梁の存在」

空間をデザインする仕事をはじめてから、それまで意識していなかった部分を
日常生活で見るようになりました。

洋服を買いに出かけても、洋服が陳列された棚や什器、接客用カウンターの構造
や設備等を見てしまいます。
ハンガーパイプや取手の金物、照明、天井の形状はどうなっているかなど・・・。
買い物にでかけたはずなのに肝心の洋服をみないで、そんなところを見てしまう。
業界内で流通している建材を含め材料はつねに新しいものが開発されています。
街に出かけて観察するとざっくりですが、それらの知識を得ることができます。
ただデザインの良し悪しは別の問題で、参考にはならないですけど・・。

自宅の賃貸マンションもよい観察の対象です。
マンションはある一定の水準の仕様が提供されているのでデベロッパーやゼネコン
の特色やこだわりが確認できそれらから同時代的に要求される住まいのグレード
つまり仕様がわかったりします。
ただ、そういった評価軸から天井の形状は、はずれているようです。
梁やダクトスペースのために低くなった天井部分と高い天井部分が間取りに関係なく
存在している場合がとても多いのです。
そういった天井はあまり気持ちのいい空間ではないと思うのですが・・・。

天井の梁形状 建築の構造を決定する際には強度と安全性は最低限の条件です。
そして経済性という要素も事業としては重要です。
結果的に、梁や柱は意匠的な調整はされず室の天井に
バランス悪くはみだしてしまうことがあります。
マンションの場合は階高も商業ビルと比べれば低いので、
天井の梁形状を不快に感じやすくなります。

この梁の存在と天井の段差、天井高の低さはインテリアデザインをする際に
必ず頭を悩ませる問題です。
今、高層マンションのリフォームのプロジェクトを進めているので、
どんな解決策があるか考えてみようと思っています。