February 25, 2009

「空だけ見える窓や吹き抜け」

過去物件の写真データを整理していたら、
空だけが見える窓や吹き抜け写真がいくつかでてきました。
これらの写真は法規制や換気性能や採光の確保といった必要条件から
設計されたもので、空だけが見えるよう
あらかじめ意図されたものではなかったと思います。
むむ、気になります。

開口部のデザイン
東京都23区内に住んで十数年経ちますが窓を開けて外を見ることが
ほとんどなくまた見る気がしません。
その理由は建築物が密集していて窓から見える景色が隣の建物だったりするからです。
時が経ち建築物がその土地になじんで
美しい町並みをつくっているような場合を除いて、
現代の住まいの周辺にある風景は、雑多で秩序がないのが通常です。
そしてこの状況は今後もかわらないでしょう。

そのような環境で「空だけが見える窓や吹き抜け」
とても魅力的で、有効だと思います。
そんな窓なら、朝目覚めたらまず開けたい。
周囲の視線を気にせず通風もでき、自然光が入る。
また住まい周辺の気配を音や匂いなどで感じることができるので、
室内にいても外と繋がっている感覚がもてる。
家の中にずっといると昼夜の感覚がずれてきて体調が悪くなることがありますが、
そういった可能性も減るだろうし。

周辺環境の風景を調整するために
開口をデザインする建築家が多いのもよくわかります。
でもこの開口には、もっと建築的な意味で可能性がある気がします。
今進めているプロジェクトでそのことを考えています。