April 7, 2009

「得体の知れないアイディア」

発想のきっかけとなりそうなソース(source)を集めて、
アイディアを抽出しますが、突発的にふとひらめく時と、
熟成させて徐々に浮かび上がってくる時があると思います。

ふとした瞬間に浮かぶアイディアは、グラフィック系の場合に多く、
頭の中にイメージが映像として具体的にしっかりある感じです。
2次元の世界ですし、インタラクティブな場合を除き、
そこで世界が完結するわけですから、
後はそのアイディアを詰めていけば良いわけです。

もう一方の熟成させて創るアイディアは、
空間系の場合やソフトの企画の場合に多いです。
アイディアは、全て基本的にはあるきっかけで生まれるものだと思っています。
ただ、そのアイディアが明確な言葉やカタチにはまだ表現できない
ふわふわとした霧のような感じ、でも頭の中には確実になんかある、
それを解明していく感じです。
ニュアンスというか、雰囲気というか、色というかそんな発想です。

なんとなく頭にあるイメージを試行錯誤カタチにしていくわけですが、
立体的にスケッチや模型で考えてみると、どことなく違う。
どこが違うかも明確には判らない。
ただ、この工程によって生み出されるデザインは、
強度を持ったものになります。

多分、突発的に具体的なイメージとなって浮かぶアイディアは、
自分が生涯見てきた、あるいは体験してきた何かによって
構築されるもののような気がします。
だから、明確なイメージとなって表れてくる。

逆にまだ得体の知れないアイディアは、自分が未だ見たことがない、
未経験ゾーンを含んでいると思います。
だから、イメージとして見えてこない不透明な感じなんだと思います。

得体の知れないアイディアは多くの可能性を秘めています。
それをカタチにすることは多くの時間と労力を使いますが、
その課程にはさらなるアイディアを誘発し、
自分の財産になってくれると思います。

あったかい日が続き、外でのんびり春を楽しみたいところですが、
まずは自分の頭の中の霧(得体の知れないアイディア)を晴らします。