April 22, 2009

「住まいの選択肢」

オフィスや自宅の郵便ポストに毎日、様々な郵便物が届きます。
その中で分譲マンションの広告には一応、目を通しています。

場所柄、比較的高額な販売価格のものがほとんどです。
それらの広告には立地の説明と外観や住戸内観のイメージCG、
数点の代表的な間取りが提示されています。
立地エリアは同じなので、立地についての説明は読む必要がなく
外観イメージと建物の仕様、間取りをみることになりますが、
程度の差はあれ同じような内容になっています。

マンションイメージ

資金繰りの悪化により土地の購入が厳しくなっている現在では、
実現するプロジェクト数が限られます。そのため1プロジェクトによる
収益を上げるため住戸の販売価格を上げる必要があります。

最近の傾向として、エントランスやゲストルームのデザインを
高級ホテル並みの仕様としキッチンや浴室など設備を高級なグレードにして、
付加価値を高めている例が目立ちます。

ひとつのプロジェクトに、より多くの手間をかけ開発を行っているので、
建物の質は高く、購入した居住者は満足を得られると想像できます。
ただ仕様は高級なのですが間取りにはバラエティが少なく、
画一的な間取りです。そして、高額です。

そのため住まいの購入を検討している人々の中ではある階層しか
手をだせない状況です。

建築家という職業が近年、メディアで多く取りあげられるようになり、
建築家による空間に魅力のある住まいも増えてきたと思います。
ですが、まだまだ住まいの選択肢は限られています。
それはマンション開発においても同じです。

様々な条件を持つ人が、ライフスタイルによってあれこれ選択する
ことができるよう住まいの選択肢を増やすことが必要だと感じます。