May 11, 2009

「デパートメントストア」

ちょっと前の話ですが、
大手百貨店の数店で営業時間が30分短縮されたそうです。
勿論不況による経費削減が主な理由であるとは思いますが、
果たして吉と出るのでしょうか?

百貨店が世界に初めて出現したのは、
1852年のフランスにできたボンマルシェであると言われています。
日本では、1905年1月3日、全国の主要新聞に掲載された三越呉服店の全面広告
「デパートメントストア宣言」をしたのが始まりとされています。

デパートメントストア宣言
百貨店の歩みは、市場経済の消費の歩みそのものです。
100年以上の激動の日本経済の中で、大きく姿を変えていきながらも発展してきた
日本の百貨店からは、近代日本の小売業の変遷を知ることができます。

百貨店について考えることは、小売業について考えることにほかなりません。
店舗をデザインする以上、もっと百貨店(小売業)について
考えていかなければならないと感じる今日この頃です。

「デパートメントストア」って直訳すると「部門別の店」ってことですよね。
百貨店とは大分意味が違うというか、何でも扱う百貨の店というイメージよりは、
専門店というイメージの方が近いように感じます。
どこの主要な駅に降りても、同じ商品を扱う百貨店よりも、
ニーズも多様化していますし、
もっと個性を持った独自の店づくりが必要に感じますから、
本来のデパートメントストアの意味をもう一度考えてみるのも良いかもしれません。

話は、営業時間短縮に戻りますが、
メンズに特化した場合を除き、百貨店に行く大半は女性です。
女性がどの時間に買い物をするかは、
百貨店のビジネスに重要な関わりを持っているはずです。
女性の職場進出が当たり前のような時代、仕事をしている女性のことを考えると、
営業時間を30分繰り上げるのは、どうなのでしょうか?
仕事と家庭の両立で時間がなく、仕事が終わったら百貨店でショッピングとは、
なかなかいかないものなのかもしれませんね。