October 18, 2010

個人住宅プロジェクト「KAHU」:現場レポート1018

今日は現場のレポートをしながら、階段について少しメモをします。
住宅という建築のビルディングタイプでは階段のデザインが重要視されます。
それは建築のデザインが要求される機能をみたし、人が知覚できる空間体験を
生み出す芸術、技術だと仮定してみるとわかります。
階段は移動により幅、奥行、高さという3つの要素の変化を体験できる部位です。
また段板、蹴込板、ノンスリップ、手摺、ササラ桁、巾木など部材が多いため、
デザインを行う要素がたくさんあるためです。
KAHUプロジェクトでは工務店で施工可能な技術で、
一般的に流通している部材を使い、コストを抑えつつ、合理的で洗練された
ディテールとなるよう仕様
を決定しています。

階段室の開口デザイン ・暗くなりがちな階段スペースですが、開口を工夫して光をデザインしています。



集成材プレカット加工 ・養生しているのでよく見えませんが、既製品の階段を使わないようにしました。
プレカットで集成材を加工しフローリングと同じ塗装を施しています。
階段で1、2階の床の仕上げイメージが途切れないようにするためです。



ササラ桁施工 ・ササラ桁の納めです。
工務店の専務にお願いしてボードを2枚貼りにしてもらいました。
壁とのチリを3mmにしてササラの厚みを消しています。
稲妻巾木を施工するのは予算的に合理的でないと判断しています。



魅力的な空間の仕掛け ・ごくシンプルな壁の構成に様々な開口をデザインしました。
これらにより階段スペースが魅力的な空間のしかけになります。