May 26, 2010

「設計の仕事」

ここ最近、人と会って調整をしなければならない業務が多くデスクでの作業時間が
とれずに落ち着いてブログを書くことができませんでした、ひさしぶりに再開です。

今日は建築の設計分野で実際に働いてみないとわからない設計の仕事について
少し書いてみようと思います。少し長くなります・・。
以前に勤務していた事務所の代表が建築家で大学のゼミをもち複数の大学で
教えていたこともあり実務をしながら現役の学生と話す機会が多かったのですが
学生が気にしていたのは建築の設計とはどういう仕事なの?ということでした。
単に設計の仕事といっても現代は分野が多岐にわたり規模もばらばらなので
そのこたえはひとつではありませんが、いくつかあげてみます。
1.情報を収集し整理する仕事
2.人を動かす仕事
3.デザインをする仕事・・
建築の仕事はそのほとんどが地味な作業の連続です。

1の例をあげると設計の初期段階では関係する建築基準法令や上下水道など
設備インフラを諸官庁に確認し、計画敷地の測量ならびに地盤の調査をもとに
地耐力や地盤の汚染状況の確認をします、近隣住戸の現況や日照、通風など
環境条件の調査も必要です。
また建築材料や新しい設備製品の情報収集も必要となります。
確認がつねに必要となる依頼者(クライアント)との打合せもそのひとつです。
これら情報を整理しプロジェクトに有用なものをまとめます。

2は設計の仕事の中核となります。
建物が完成するには多くの人が関係します、設計者だけではつくれません。
予算に余裕のあるプロジェクトなら無理も可能ですが通常は限りがあります。
目標となる予算内で契約期間内に建物を完成させなければなりません。
予算がなくてもプロジェクトに関係する人たちが個々の能力を最大限に発揮し
良いものをつくろうという気持ちになることが不可欠です。それは施工を直接
行う職方だけの話ではなく営業マンや積算、各材料メーカーの営業、そして
発注者であるクライアントにもあてはまります。
プロジェクトの状況に応じて臨機応変に関係する人々を動かすことができる
信頼関係を築くのも設計の重要な仕事です。

3でようやくデザインです。
設計が優れたものになるか意匠、構造、設備を検討します。
芸術性や、文化的に価値があるかなども考える仕事です。
この3の業務は先に挙げた1、2の仕事と連続していてこれら全てを行うこと
によってはじめてよいデザインをすることができます。

設計の仕事の一部ですが、簡単に書いてみました。
他にも作業はたくさんあります。
流氷の水面下の部分は水面上の大きさにくらべるとかなり大きいですが、
美しい建物が誕生するには膨大な地道で地味な作業が行われています。
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