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優しい風景だな・・と思いました。
この写真は軽井沢にあるハルニレテラスという商業施設で撮影したものです。
木々と清流の自然に囲まれたこの施設には小さな建物が隣立していて
それぞれにお洒落なお店がはいっています。
エリア内のほとんどの部分はデッキ材が敷かれています。その場所の
土地の起伏や木々の配置に配慮して形状が決められているようでした。
そこには人々が休憩できるイスやテーブル、ベンチなどが設置されています。
この写真はその中のひとつです。

土地の形状に合わせデザインされたであろうデッキスペースの階段状の
段差部分に人工大理石と思われる白い薄い座面が設置されています。
とてもさりげない座面です。
訪れた人々の多くはこの座面に気づかず、通り過ぎていました。
それは、この場所の近くにイスやテーブルも設置されており多くの人がそこで
休憩をしていたため、この白い薄板をベンチとは認識しなかったのでしょう。
このささやかなしかけに誰が気づくだろうか？と思い観察することにしました。

しばらくして一組の親子が近くを通り、ジャンプして手すりを触って遊んでいた
子供が自然にこの座面に座りました。その横に母親も腰を降ろしました。
それから楽しそうな会話がはじまりました。
子供はものの見方や捉え方が柔軟だなと実感しつつ、この「ささやかなしかけ」から
アクティビティが発生した瞬間を見ることができてうれしく思いました。

数年前、東京理科大の設計の講義にてオンサイトの長谷川さんが学生達に
課題としてこの土地の説明をしていたことを思い出しました。
（補足：この施設のランドスケープデザインはオンサイト計画事務所です）

10月に入り、マンション住戸リノベーションの最終デザインを進めています。
このプロジェクトでは、オーナー様と打合せを重ねていくなかで音楽鑑賞を趣味として
いることがわかり住空間をデザインするだけでなく音の空間についてもデザインをする
ことになりました。
日常生活の場が音楽を鑑賞する場でもあるので、それら機能を両立させる必要が
あります。ただ専門誌などで紹介されているオーディオルームでは生活空間として
圧迫感がありすぎるのでそうではない空間を考えました。
年末の完成が楽しみです。

今年、住まいのプロジェクトが続き、
オーナー様と定期的にお会いする機会が増えました。
住まいの設計では建築本体だけでなく所有している家財などを含め、
すべてがデザインの条件となります。
最初の要望事項にないことでも、カウンセラーのように様々な与件を踏まえ話しをする
ことで依頼者の抱えている住まいへの想いや不満に気づくことが重要です。

そうすることで、はじめてその人にふさわしい住まいのかたちをつくることができると
思うからです。

前回、ブログをアップしてから少し期間が経ちました。
住宅の現場がおわり少し予定が自由になったので充電をしていました。
休みをとり旅行し、書籍や写真集をみてあれこれ考えごとをしたり・・。

10月に入り次第に秋を感じる季節になってきて、デザイン欲が増してきたので、
ブログを再開し思考を整理していこうと思います。

今日は直線について。
デザインをするためにスケッチを描いていてあれこれ悩んだ後、うまくまとまってきた
と思うスケッチには強い線で描かれた直線があることに気がつきました。
スクラッチペーパーには鉛筆で数回描き重ねた濃い直線が部位を変えながら紙面の
どこかに必ず描いてある。
空間をイメージするためパースを描き検討しますが、直線が遠近を把握しやすいのか
頭の中では直線を描くことに意識がはたらいている気がします。

夏の小旅行の記録をみると案の定、直線写真がありました。
その中から、ぐっときたものをアップしておきます。
雨上がりなので一部雨で濡れていますが、この場所は自然の緑とデッキ材が
重なり素敵な風景となっていました。

直線の配置によって風景がデザインされていました。